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奇跡のボラセン閉所の日

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奇跡のボラセン閉所の日

陸前高田市 - 2012年12月23日

情報レンジャーでも2度レポートをお届けした「奇跡のボラセン」陸前高田市災害ボランティアセンターが、2012年12月23日に一旦その役割を終えて閉所されることになりました。このセンターをリードしてきた陸前高田市社会福祉協議会の安田留美さんに、23日朝に行われた閉所式の後にお話を伺うことができました。

開設以来このボラセンが受け入れた人数は何とのべ13万人。最も多い日には1日で1250人が訪れ、受付待ちの大型バスが行列を作っていました。

被災地では各地でボラセンがボランティアの受け入れを行ってきましたが、この陸前高田ボラセンにこれだけの人が集まったのには訳があります。それはボランティアに来る人たちに対する「仲間意識」でしょう。

ボラセンは被災地での作業のニーズをとりまとめ、外部からボランティアに来る人たちにその作業の割り振りをします。作業に用いる道具の貸し出しも行います。陸前高田のボラセンは毎朝必ず全ボランティアを集めてミーティングをします。驚くのはリピーターが多いこと。そのミーティングで、「自分たちは陸前高田の皆さんのお手伝いに来たんだ」という仲間意識が生まれます。そして作業終了後。初めてボランティアに来た人は、作業前の「復興の一翼を担う」という意気込みと、実際に自分がやり遂げた作業量の差にガク然とするものです。そんな仲間をボラセンは暖かく迎えてくれます。暖かいまるでカフェのような空間ではスタッフがコーヒーやお菓子を振る舞い、道具を洗う洗い場の蛇口からはさりげなく暖かいお湯が出るのです。そして帰る時にはスタッフ総出で見送り&見えなくなるまで手を振って(通称:手振り隊)くれるのです。(手振り隊の様子はちょうど1年前、2011年12月23日の情報レンジャー@岩手に動画が掲載されています)
奇跡のボランティアセンター

ボランティア終了後それぞれの場所に戻ったメンバーは、陸前高田の強力なサポーターになります。機会を作ってまた新たなお手伝いに、以前知り合った現地の方に会いに戻ってきます。

安田さんは言います。このボラセンは登記上の住民ではなく陸前高田に関心を寄せる「関心住民」を増やすことに力を入れてきた、と。現在陸前高田市の人口は約2万人ですが、関心住民をいれるとその何倍にもなるでしょう。そのボラセンが閉鎖されるのは、リピーターとしてはちょっぴり寂しい気もするのですが、それは復興が次のフェーズに進んだ確かな証しです。今後まだまだカタチはかわりますがボランティアのニーズは存在します。陸前高田ボラセンは社会福祉協議会の常設ボランティアセンターがその業務を引き継ぎ、今後も全国からのボランティアを受け入れます。

安田さん、ボラセンスタッフの皆さん、陸前高田ボラセンを訪れたことのある仲間たちは、陸前高田のことを決して忘れません。皆さんにかけられた声、振られた手のことが気になって、いつか必ず帰ってきます。まだまだみんなで頑張っていきましょう。

「つないで陸高!なじょにかすっぺ!」

陸前高田市 災害ボランティアセンター

レポート:佐藤正之