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今だから話せる 富岡の語り部

「震災経験を話すことが嫌だった。でも間違って伝えられるのはもっと嫌だ」と感じ始... - 2013年9月7日

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今だから話せる 富岡の語り部

郡山市 - 2013年09月07日

「震災経験を話すことが嫌だった。でも間違って伝えられるのはもっと嫌だ」と感じ始めた被災者が多いと聞く。富岡町では先日より語り部講座を開講し、町民18名が応募、取材当日は静岡県牧之原市の自主防災委員の方が話を聞きに見えていた。おもな集落は海岸沿いで、ほぼ全域が浜岡原子力発電所の半径20km以内と、福島の原発事故が人ごとと思えない地区なだけあり、講演を傍聴した皆さんの表情は真剣そのもの。

この日説明にあたったのは語り部の講師役である、社会福祉協議会「おだがいさまセンター」の青木淑子さんと吉田恵子さん。吉田さんは現在の自宅の様子を写真付きで話すなど、まるで一緒に同行取材したか?と錯覚を覚える程、臨場感溢れるものだった。又、富岡町独自の取り組みとして災害FMの開設や、放送が遠くでも聞けるように、町から希望者に配布されている、タブレットを利用した発信方法が紹介された。

数ある有意義な話の中で、特に印象に残った事は5つ

◆富岡町は災害が無いことが前提で生活していた 
◆被災直後は、情報が全くなかった 
◆写真で記録を取っておくべきだった 
◆避難所で女性への配慮が早目に欲しかった
◆名産物があれば、移転先で地元をアピールできる

福島県は以前は災害の少ない土地だと言われおり、まして原子力事故は想定外だったのだろう。停電もあり情報の伝達方法が充分でなく、何故避難するのか?直ぐ戻れるのでは?と情報が全くなかった事で初動を誤り、正しい避難が出来なかった事が悔やまれる。震災直後にはどの報道社も数いる大勢の記者も「富岡町や川内村は放射能が高いから行くな」と通達が行ったようで、その場所が安全だと言われ避難したのに、誰も正確な情報を教えてくれなかったと嘆いた。

川内村で不便な生活後に移動した、郡山市の避難所ビッグパレットでは物資は安定していたが、過酷な生活の様子を写真に撮るのを躊躇してしまったそうだ。今思えば記録として沢山撮影すれば良かったと。「記者用の腕章を付けていれば問題なかった筈だ」と後悔している。

体験した者でないと分からない言葉がある。この日、町民の語り部さんは自己紹介程度で終わったが、9月21日まで研修を積み9月23日から本格活動を始める。公民館や教育機関などに出張する事も可能なので、皆さんも是非一度、被災者自ら発せられる言葉の重みを、自分に置き換えたり次の災害へ備える「防災」と言う意味でも、この取り組みを経験していただきたい。

問い合わせ先:富岡町おだがいさまセンター(富岡町生活復興支援センター)

レポート:安田 希代美 |情報レンジャー@福島