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希望をむねに前へ進もう

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希望をむねに前へ進もう

いわき市 - 2013年08月24日

「みなさんお元気ですか?淳也は元気です。」車椅子から披露する歌声は、まっすぐで力強い。双葉町民が避難生活を送っている、いわき市南台仮設住宅の集会所「ひだまり」。ここで月に一度コンサートを開き、人々に元気を与えている青年は、市内金山町に住む青木淳也さん32歳。27歳の夏、脳内出血に襲われ、手術後に残ったのは高次脳機能障害。高校卒業後、芸能人になることを夢見て東京へ旅立ち、モデルの仕事やTV番組への出演を経験、CDの発売が決定した直後の事だった。

記憶することが困難になっても「芸能人になる」という夢だけは決して忘れない。練習を繰り返し、歌のリズムや歌詞も覚えることができた。リハビリを続け、もう一度歌いたい、歌で人に元気を与えたいとい気持ちが募り、昨年4月から「ひだまり」で月1回のコンサートをスタートさせたが、この日は記念すべき回となった。埼玉県立所沢西高校の吹奏楽部と初のジョイントコンサートが実現したのだ。昨年、震災支援で南台仮設を訪れた生徒たちは「ひだまり」職員の話から青木さんの存在を知った。共に音楽を演奏し、被災した方たちに元気になってもらいたいという思いが届き、今回の共演が決まった。

『昴』『お富さん』など数曲の後、最後に演奏されたのは、青木さんのオリジナル曲『道』。テープから顧問の先生が譜面に起こし、この日のために練習してきた伴奏を3年生が披露。青木さんの澄んだ歌声に生徒たちの奏でる旋律が重なり、約30名の観客を感動で包み込んだ。「福島にやっと来ることができた。何が力になれるかと思ったら音楽かな?と思い演奏したら、喜んでくれる人たちがいた」そう語ったのは、部長の玉田尚子さん。「みなさんが楽しんでくれるのが伝わってきた。今まで音楽をやってきて本当によかった」と涙を光らせていた。

かつては陸上部、サッカー部と走り回っていた息子がある日、ベッドの上で満足に動けない体となった。涙の溢れる毎日を過ごし、一緒に生きることを諦めようとした母の勝子さんに、青木さんはこう言ったという。「俺、死なないよ。俺には夢があるから。俺、芸能人になるから。」逆境の中でも諦めずに行動を起こす姿に、双葉町民も勇気を貰ったに違いない。 

レポート:坂本 恵美 ふるさとの絆電子回覧板事業 双葉町担当