木村 敏之
先々に繋がるきっかけになる情報を提供できればと思います。
木村 敏之
先々に繋がるきっかけになる情報を提供できればと思います。
三浦 淳 (~2014.4まで)
岩手県出身仙台市在住 肴と魚を求めて海を彷徨う釣り人
加藤 隆介 (~2014.4まで)
宮城県出身仙台市在住 他人の幸せを撮り続けている中年独身ブライダルカメラマン
坂本 恵一 (~2013.3まで)
宮城県矢本町(東松島市)出身 丸刈りの似合う38歳 今までの合計で地球25周は運転した男
網野 武明 (~2013.3まで)
宮城県名取市出身仙台市在住 粉雪をこよなく愛する庭木の剪定が上手なグラフィックデザイナー
太田 和美 (~2013.3まで)
宮城県仙台市出身在住 大きなものをつくりたがる小柄で童顔なクリエイター
石巻市 - 2014年08月21日
先の震災をきっかけに、石巻市とその隣接市町村の住人自らが、街の魅力を再発見を目的に開催している地域体験プログラム「石巻に恋しちゃった♡」(以下「石恋」)。この地域に住むさまざまな趣味や特技を持つ市井の「達人」の監修のもとで行なわれるプログラムは、誰でも参加することが可能です。2013年からこれまで、工芸品のワークショップや料理教室、観光地巡りから漁業体験、スポーツ、町歩きに語らいの場の提供などの多種多様なプログラムを用意してきました。5回目の開催となった石恋の今回のテーマは「まちびらき」。のべ73人の達人によるプログラムが開催されました。
今回、宮城県慶長使節船ミュージアム(略称:サン・ファン館)企画広報課職員である髙橋正法さんが達人として参加したプログラム「サン・ファン館の知られざる魅力を紹介します!」にお邪魔しました。
1613年(慶長18年)、伊達藩士の支倉(はせくら)常長(つねなが)ら一行が藩祖伊達政宗公の命で太平洋を渡りました。メキシコやスペインとの交易を結ぶための使節団は、慶長遣欧使節団とも呼ばれています。3ヶ月をかけて太平洋を横断し、メキシコを経てスペイン国王やローマ教皇への謁見を果たしましたが、国王との通商条約を取り交わすことは出来ずに1620年に帰国。常長はその翌年に病死したことが最新の研究で明らかになっています。サン・ファン館は、使節船「サン・ファン・バウティスタ号」を当時と同じ木製で復元した帆船を係留し、使節団の資料やヨーロッパから持ち帰った貴重な品々を展示している博物館施設です。1996年の開館以来、石巻地区の観光施設としても人気のスポットです。
しかし、2011年の震災による津波と翌4月の強風で、施設や復元船が大きな被害を受けました。復旧工事のために長らく休館していましたが、2013年秋、慶長使節出帆400周年の節目に2年8ヶ月ぶりに再開館。館では船の出港からちょうど400年目にあたることから「慶長使節400年 勇気、希望そして未来」と銘打って様々なイベントを開催してきました。今回は、企画広報課の髙橋さんに施設内を巡るツアーガイドを務めていただきながら、館内の見どころや震災時の様子、展示品や復元船の内部を見学することができました。
ところでここ三陸地方では、先の震災からちょうど400年前の1611年にも巨大地震が起きていたことが当時の記録から判っています。慶長大地震といわれるこの地震は、津波被害も含めて領内で死者5千人を出したという説もあります。それからわずか2年後に、太平洋を渡りヨーロッパと交易を結ぶという伊達藩の決断は、疲弊した領民の生活支援や雇用、交易での発展を目指した、当時としても画期的な一大復興事業の側面があったと考えることも可能です。館では、この使節団を「勇気と復興のシンボル」と位置づけ、これからも様々な企画展やイベントを開催していきたいというお話でした。
石巻市佐須浜サン・ファン館付近(2013年8月26日撮影)
木村 敏之|情報レンジャー@宮城