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宮城県断酒会の被災地支援

NPO法人宮城県断酒会は、宮城県内のアルコール依存症者やその家族らが集まり、断... - 2014年2月5日

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    加藤 隆介 (~2014.4まで)

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宮城県断酒会の被災地支援

仙台市 - 2014年02月05日

NPO法人宮城県断酒会は、宮城県内のアルコール依存症者やその家族らが集まり、断酒によるアルコール依存症からの回復を目指してさまざまな活動を行っている団体です。1975年に任意団体として発足し、2000年にNPO法人化したのちは、依存症者やその家族による「例会」という語り合いの場の運営を中心に活動しています。例会は月曜日以外の毎日、県内各地で20ヶ所以上の市民センターや病院などを会場に行なわれています。その他にも電話による酒害への相談対応や依存症への啓発活動、さらにリハビリテーション施設や就労支援の運営など多面的に活動中。現在は100人近い会員が、依存症からの脱却に向けて参加しています(2014年1月現在)。

震災後、被災地では家族や知人、財産などを失ったことによる精神的な苦痛、または生活や将来への不安から来るストレスから過度の飲酒によるトラブルやアルコール依存症が増加していました。宮城県断酒会で副理事長を務める敦賀眞一郎さんによると、断酒会では県内各支部のスタッフからそういった話を聞いて、依存症からの脱却へのノウハウを持つことから被災地で役に立てることがあるのではと、被災地での支援活動に取り組むことになりました。
まず、断酒会では沿岸部を中心に、酒害の啓発や相談会を積極的に開催しました。沿岸部の公共施設のほとんどは避難所として利用されたことで例会が開催できなくなっていたこともあり、相談会のチラシを手に気仙沼市や東松島町、七ヶ浜町などの避難所や仮設住宅を回る日が続いたといいます。しかし、被災者の仮設住宅への入居が始まる頃になると、飲酒のトラブルは徐々に潜在化していきました。依存症者が終日部屋にこもってしまったり、本来のコミュニティと異なる住宅に割り振られたために話し相手がいなくなってしまったことから、住人の情報が入りにくくなりました。対策として、会では地域の保健所や社会福祉協議会、医療施設などと恊働することで対応していきました。現在は沿岸部の例会も再開していますが、まだまだ各組織との連携の必要を感じているそうです。

そして現在、震災後の断酒会が力を入れているのが、治療に関わる関係者間のネットワークづくりの構築です。仮設住宅での情報収集に苦労した経験も踏まえ、地元の行政や福祉協議会、専門的な医療機関、そして断酒会などの当事者の団体の三者がネットワークをつくることで、支援の強化をはかることが目的です。また、医師による支援員向けのアルコール依存症への講習会を開催し、支援員自身の悩みも洗い出すなどの活動にも取り組んでいます。勿論、これまで通りに例会も継続しています。

来週の2月11日(火・祝)、断酒会では仙台市青葉区の東北大学片平キャンパス内「さくらホール」を会場に「宮城市民セミナー」を開催します。今回で12回目となるこのセミナーは、断酒会の取り組みを発表し、アルコール依存症への理解を得ることと酒害の啓蒙を目的に毎年開催しているもの。例年はアルコール依存症とうつ、自死や飲酒運転などをテーマに開催していますが、今年は「震災から3年経過してのネットワークづくり」をテーマに開催。内容は敦賀さんをはじめ支援活動の当事者や医療関係者による講演と、現地での飲酒問題の報告が中心です。
時間は午後1〜4時までの予定で入場は無料です。関心のある方は、酒害を正しく理解し、うまくアルコールとつきあうためにもぜひご検討ください。現地で支援活動に取り組んだ関係者による貴重な報告を聞くことができるはずです。

宮城県断酒会

木村 敏之|情報レンジャー@宮城