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悲しい真冬のシャンデリア

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悲しい真冬のシャンデリア

国見町 - 2012年12月25日

2012年冬の伊達地方ー。この地に数多く見られる風景は“真冬のシャンデリア”ではない。カキの木に取り残されたままの真っ赤に熟した実だ。美しくも悲しい光景になってしまった。栽培農家はやりきれない思いで今年も年を越してしまった。

2011年3月11日の東日本大震災が引き金となった東電福島第一原発事故の放射能汚染は、この地を汚し献上柿でもある「あんぽ柿」(干し柿)の生産をダメにしてしまった。県は福島、二本松、伊達、桑折、国見、川俣の6市町で生産されるあんぽ柿について、試験加工した検体の放射線量を測った。食品衛生法の基準値(100Bq/kg)を超えたとして各自治体と生産団体に加工自粛を要請した。

放射性セシウム数値は、最大があんぽ柿410Bq/kg、干し柿420Bq/kgだった。材料の平核無柿(ひらたねかき)と蜂屋柿は全て基準値以下。平核無柿の96.9%、蜂屋柿94.6%は50Bq/kg未満だった。しかし干し柿にするとあんぽ柿は1.5~8.9倍、通常の干し柿は2.8~14.5倍に跳ね上がった。

2年連続の自粛を受けて県やJAはメカニズム解明に向けて詳細な検査やカキの線量マップ作りなど、対策に乗り出した。2011年冬から今年にかけて樹木の表皮を剥ぐなど徹底的な除染をしたにもかかわらず、あんぽ柿の線量が基準値を超えたことに農家は大きなショック。「伐採して新しい木を植えるしかないのか」との声も出ている。

今年は出荷できると思って準備したのに、とカキ農家は無念さをにじませる。「2年連続で作れなかったことで、伊達のあんぽ柿が忘れられてしまう」と来年以降への不安も口にする。「カキ農家は高齢者も多い。先が見えない状況では担い手も減ってしまう」と話し、「営農意欲を持続できるような対策が必要だ」と訴える。

 

レポート:小野清隆|情報レンジャー@福島