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災いを転機に変えた男

国道49号線を郡山市から猪苗代町に向かう途中、周囲が自然に囲まれた峠のカフェが... - 2012年11月21日

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災いを転機に変えた男

郡山市 - 2012年11月21日

国道49号線を郡山市から猪苗代町に向かう途中、周囲が自然に囲まれた峠のカフェがある。その名は「FAUCHON cafe」 (フォーションカフェ)。震災で大きな被害を受け、再スタートを切ったオーナー柴田良孝さんが経営する店である。

震災前は須賀川市で、柴田屋という昔の良き雰囲気が漂うカフェを経営していたが、築80年という古民家は全壊。土壁が崩れるなど再建不能の被害を受けた。もちろん休業ー。テナントとして入居していたため保障も全くなく、借金だけが残ってしまった。一家を守らなければならない柴田さんは、店をやめてサラリーマンに戻ろうか、この先どうしようか、と路頭に迷う日々が半年以上続いた。そんな中、ある銀行から融資可能の連絡があり希望の光が見えたという。

震災の影響で食器などはほとんどが壊れてしまったが、ケーキ屋の命でもあるオーブンは無事だったという。どうしても店を再建したい! その一心で見つけた物件を自ら修復、あえて震災の翌年3月11日に再オープンした。パティシエでもある柴田さんは、背負った不幸を自らのアイデアと使命感で転機に変えたのだ。

柴田さんには、母親が見せていた前向きな生き方、という教えが再オープンへの行動力に繋がっている。311円復興カレー、目を見張るようなデコレーションケーキをはじめ、店内のこだわりはまさにアイデアの賜物。峠にひっそりと佇むカフェだが、今ではふと立ち寄るお客様やリピーターで賑わっている。

県内の復興についての思いを尋ねると、復興する側、される側で温度差を感じるという。さまざまな利害関係もあるだろうが、もちろん早期復興を願っている。自ら震災に遭い辛い体験をしたからこそ、明るく楽しく生きるのだと言い聞かせる柴田さん。辛い思いはあるが自分が何故生かされているのか、同じ時間を生きるのなら辛く悲しい時間を過ごすのではなく、明日を楽しく前向きに生きて欲しいと願う。

取材後にオーナー特製のミルフィーユを注文した。独創的なケーキの姿に圧倒され、一流の味にもダブルで驚かされた一日だった。

レポート:石塚通|情報レンジャー@福島