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決死のペット救出…そして

三春町でペット被災シェルターの管理獣医師をしながら郡山市に仮設の動物病院を再開... - 2012年10月4日

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決死のペット救出…そして

三春町 - 2012年10月04日

三春町でペット被災シェルターの管理獣医師をしながら郡山市に仮設の動物病院を再開した渡辺正道(せいどう)さんにとって、2011年3月15日は「もしかしたら死ぬかもしれないー。人生の中で一番の大仕事だった」と言う。

あの日まで渡辺さんは、富岡町の自宅でフレンチブルドッグを飼い、経営する動物病院には何頭かのペットが入院していた。大震災から一夜明けた12日、東京電力福島第一原発で事故が発生。すぐに避難指示が出て渡辺さんは「すぐに戻れるだろう」と断腸の思いでフレンチブルドッグはもちろん、預かっていたペットも残して避難した。

フレンチブルドッグは妊娠しており、13日に帝王切開での出産を予定していた。自己責任で救出を決意した渡辺さんは放射能への恐怖の一方、「どうしても迎えに行かなければ」と車で一人で町へ向かった。「生きていてほしい・・・」と一縷(る)望みを抱いて決死の覚悟。水と餌を車に積んで心もとないガソリンのまま、「もしかしたら死ぬかもしれないー」という恐怖は募ったが後戻りはできない。

病院に着いて飼っていたペットを確認、最初に妊娠中の母親犬を見つけた。お腹が窪んでいたため辺りを見回すと、全身が白毛の母親は黒毛の父親そっくりの子犬を1匹、無事出産していた。「あ~良かった! 娘に泣かれずに済む」。子犬をポケットに入れ、入院中の生き残ったペットと一緒に避難先の三春町へと帰りを急いだ。彼岸のころに生まれたので「オハギ」と名づけられた奇跡の子犬は今、避難先の三春町で渡辺さん一家族と暮らしている。

多くの犠牲を伴った震災と原発事故。しかし「オハギ」のような小さな命が、私たちに温かい希望を与えてくれる。渡辺さんは「これからも被災した人と一緒に、前を向いて歩きたい」と、同じ境遇の人たちを気遣いながら獣医師として行き来する毎日だ。

 

レポート:鈴木 里美|撮影編集:小野 清隆|情報レンジャー@福島