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南相馬市 - フォトリポート

南相馬・村上海岸付近

震災から2年半後の現実を突きつけられた日。 2013年9月25日

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南相馬・村上海岸付近

南相馬市 - 2013年09月25日

震災から2年半後の現実を突きつけられた日。

南相馬市小高区の村上海岸エリアに行ってきた。ゴォーッという波のうねりがあの日を思い起こさせ、心臓の鼓動が早くなる。海岸沿いの防波堤は破壊されたままで、ふと陸地に目をやると、取り残された家の基礎があちらこちらに見受けられる。彼岸だったためか、家の基礎のあちらこちらで花が手向けられていた。歩きながら目に映るひとつひとつの家々を想像する。そして、視線の先には流された基礎を失った墓石がおもむろに集められている場所があった。墓前に手を合わせながら、ふと津波が来るまでの、そこに暮らす人達の日常の生活が頭をよぎった。

原発事故関連の報道が多いからか、福島県沿岸部の津波被害の報道は比較的少ないかもしれない。確かにこの村上海岸付近は旧警戒区域だったため、原発事故後、立ち入ることができない時期が1年程続いた。しかし、この場所にも確実にあの津波が襲ってきていたのだ。少し車を走らせると、小高い場所に、家の2階部分であろう流された家屋の一部がのし上がっている。田んぼだった場所にも、経年で腐食が進んだ自動車や自動販売機などが散らばっている。

「復興とは、時間という経過軸を持って為せるものなのだろうか」と、考える。人の心が、新たな未来の一歩に向かう時、その心が連鎖を生み、復興へと繋がって行くような気もする。改めてこの現実をしっかり受け止め、この大災害、そこから派生した事故を後世に伝えるために、我々ひとり一人が「自然と向き合い調和する、そして時には考え方をよりよく変化させる」といった在り方が問われているのかもしれない。そして、改めて震災で亡くなられた方々のご冥福を祈り続ける。

 

レポート:鈴木さとみ|情報レンジャー@福島