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佐々直工場跡

先の震災から3年8ヶ月と4日目。宮城県名取市の沿岸部、閖上(ゆりあげ)地区を訪... - 2014年11月15日

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名取市 - 2014年11月15日

先の震災から3年8ヶ月と4日目。宮城県名取市の沿岸部、閖上(ゆりあげ)地区を訪ねました。宮城県内では現在、各市町村で被災した建物の撤去が粛々と進んでいます。全国的に有名になった気仙沼市鹿折(ししおり)地区に打ち上げられた大型船は船主の意向で既に2013年10月に解体・撤去されました。また、女川町に残っていた倒壊した3つのビルのうち、最も海に近い女川サプリメントのビルは護岸工事の影響でに今年14年の3月に撤去されており、12月には江島(えのしま)会館ビルも解体・撤去工事が始まる予定です。三つのうちで最も小型の女川交番の建物は、町の判断で震災遺構として保存されることが決定しています。
仙台市内でもっとも甚大な被害を受けた荒浜地区の北側で、野鳥の繁殖地で知られる蒲生干潟にほど近い市立中野小学校は既に解体されていますが、荒浜小学校の校舎は保存する方向で進められている模様です。また、地元住民の意向に従って、南三陸町の防災対策庁舎は解体・撤去する方針を町が発表していますが、宮城県が震災遺構としての保存を支持する意向を表明するなど、保存についてはまだまだ流動的な建物もあります。同じく、石巻市の大川小学校や門脇(かどのわき)小学校も、解体か保存かで現在も住民の意見が割れている状況です。

そんな中で、ここ閖上地区で笹かまなどを製造販売していた株式会社佐々直(ささなお)では、被災した旧・本店工場跡を保存する方向で町と調整している模様です。画像の通り、8メートルを超える強烈な津波が一階部分を突き抜けたために壁が無くなっており、支柱と上階のみを残して残りました。この周辺には、震災後は住民や視察などで訪れる人たちの慰霊の場となっている日和(ひより)山があり、撮影中もひっきりなしに大型バスやタクシーなどが訪れていました。名取市ではこの一帯を公園として整備する計画で、慰霊のためのメモリアル施設を併設する予定です。

木村 敏之|情報レンジャー@宮城

http://gigapan.org/gigapans/165785