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「波伝谷に生きる人びと」 宮城県沿岸部縦断上映会を終えて

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「波伝谷に生きる人びと」 宮城県沿岸部縦断上映会を終えて

仙台市 - 2014年09月08日

先の震災から3年と半年を迎えました。震災直後からこれまで、国内外を問わず、震災をテーマにした、または被災地を舞台にした数多くの映画が公開されています。
それらの内容は非常に多岐にわたり、地震や津波の脅威、避難所での生活の様子や放射能汚染、コミュニティの崩壊や再生を描いたドキュメンタリーのみならず、劇映画、首都圏や海外からの視点などなど本当に様々です。なかでも被災地で記録された映像は当時の風景や被害の様子などを後世に残す資料としても価値が高く、当地でもいろいろな個人や団体、有志による上映会が開催されています。

その作品の多くが3月11日ののち数日から記録が始まっているなか、震災前の2008年から11年3月11日当日まで独りで南三陸町の沿岸部の集落を記録していた人物がいます。宮城県白石市出身の我妻和樹さんは、南三陸町の波伝谷(はでんや)という土地に3年間にわたって自費で定期的に通い続けていました。波伝谷の土地は津波で壊滅しましたが、我妻さんはこれまでに撮り続けた映像を自ら編集して、約3年後に「波伝谷に生きる人びと」という一本の映画を完成させました。
その後、この134分の記録はさまざまな人たちの協力を得て、上映会のかたちで日本全国を巡りはじめています。国内の新人映像作家の登竜門として知られる「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)では、2014年のPFFアワード入選を果たし、今月9月からの東京国立近代美術館での上映が決定。9月20日(土)には、母校の東北学院大学にて上映会ならびに沿岸部のコミュニティについて語るイベントも予定されています。

そして今年の7〜9月にかけて、我妻さんとその有志で宮城県内の沿岸部11市町の市民センターや体育館などを利用した縦断上映会を開催し、全体で400人近い入場者を集めることができました。この作品を作ったきっかけや波伝谷に対する想い、縦断上映会を企画・開催した背景について、監督の我妻さんにお話を伺いました。

「波伝谷に生きる人びと」Facebook特設ウェブサイト
『波伝谷に生きる人びと』予告編(3分)

木村 敏之|情報レンジャー@宮城