木村 敏之
先々に繋がるきっかけになる情報を提供できればと思います。
木村 敏之
先々に繋がるきっかけになる情報を提供できればと思います。
三浦 淳 (~2014.4まで)
岩手県出身仙台市在住 肴と魚を求めて海を彷徨う釣り人
加藤 隆介 (~2014.4まで)
宮城県出身仙台市在住 他人の幸せを撮り続けている中年独身ブライダルカメラマン
坂本 恵一 (~2013.3まで)
宮城県矢本町(東松島市)出身 丸刈りの似合う38歳 今までの合計で地球25周は運転した男
網野 武明 (~2013.3まで)
宮城県名取市出身仙台市在住 粉雪をこよなく愛する庭木の剪定が上手なグラフィックデザイナー
太田 和美 (~2013.3まで)
宮城県仙台市出身在住 大きなものをつくりたがる小柄で童顔なクリエイター
女川町 - 2014年02月12日
先の震災をきっかけに、石巻市とその隣接市町村の住人が自らの住む街の魅力を再発見することを目的にはじまった地域体験プログラム「石巻に恋しちゃった♡」(以下「石恋」)。石巻地域に住んでいるさまざまな趣味や特技を持つ市井の「達人」の監修のもとで行なわれる体験プログラムは、地元の住民に限らずに誰でも参加することが可能。これまでの開催では工芸品のワークショップや料理教室、観光地巡りから漁業体験、スポーツ、町歩きに語らいの場の提供などなど、さまざまなプログラムを用意してきました。
4回目となる今回の石恋は「冬恋」と銘打ち、全44のプログラムが2月上旬から開催されています。そのなかで今回は、今月12日に実施されたプログラム「宮城の名産笹かまぼこを、もっと楽しく知りましょう」の会場にお邪魔しました。
会場となったのは女川町の浦宿浜にある株式会社髙政(たかまさ)の店舗「万石の里」。水産物加工や製造・販売を手がけるこの会社では、敷地内にすり身の生産や加工工場を併設しており、生産ラインの見学や直営店舗で商品購入が可能です。笹かまぼこ以外にも揚げかまぼこや蒸したかまぼこ、刺身のようや食感のものなど様々なかまぼこを試食しながら買い求めることができます。大型駐車場も完備しており、町内の視察や観光に訪れた人たちがひっきりなしに立ち寄っていました。
今回、笹かまぼこの達人としてガイドをしてくれたのは、髙政で商品開発や催事の運営を担当している菊地繁志さん。髙政は鮮魚販売店として昭和12年に創業した会社で、46年より魚のすり身製造を開始。平成6年より本格的に笹かまぼこの製造販売に乗り出しました。原料となるすり身は高品質のアラスカ産スケソウダラ、ミャンマー産のイトヨリダイやグチに加えて、女川や石巻で揚がったスケソウダラも使っています。自社ですり身の製造から加工、生産から販売までを手がけている数少ない会社です。笹かまぼこのメーカーとしては新興だそうですが、焼き工程にオール電化の生産ラインを導入するなど環境にも配慮した経営を行なっています。菊地さんによると、髙政の笹かまぼこの特徴は昔ながらの魚の味がしっかりと残っていること。つなぎの澱粉を極力控えることで、魚の持つ本来の味を残すことを商品開発の基本にしているというお話でした。
当日の参加者は県内外から参加した18人。なかには関東から来た大学生のグループも。かまぼこの作り方や種類についての説明を聞き、生産工程の途中で作られたすり身などを直に触りながら、菊地さんの説明を聞きます。焼き工程や出荷作業の生産ラインを見学した後は、店舗内に設置してある手焼きスペースで焼きたての笹かまぼこを味わいました。
髙政も震災時には工場や資材などが大きな被害を受けました。幸いにも2棟の工場は津波による浸水こそ免れましたが、工場の屋根が落ちたり、生産ラインが振動で曲がってしまったりといった被害がありました。震災から数日間、石巻市との幹線道路が不通になってしまった時期には、倉庫に残っていた商品を社員が町民に配布したり、工場の浄水タンクの水を町内にくまなく給水して回るなどの活動を続けてきたといいます。震災後も積極的に地元から正社員の採用を続けたり、地元のアマチュアサッカークラブのメインスポンサーを務めるなど、女川に根差した会社として歩んでいます。
もうじき震災から3年目を迎えますが、菊地さんはこれからがメーカーとしての正念場だと感じているそうです。復興支援として商品を買ってもらうのではなく、商品の魅力で選んでほしい。そのためにも今まで以上に誠実によい商品を作り続けていきたいと語っていただきました。
2年目の「石恋」は“冬恋”から ※開催の意気込みについて石恋スタッフさんに伺いました
木村 敏之|情報レンジャー@宮城