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写真は一生の宝

津波で流されたネガを洗浄し乾燥。そしてそこから写真にプリントします。一度は海水... - 2013年3月6日

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写真は一生の宝

大崎市 - 2013年03月06日

津波で流されたネガを洗浄し乾燥。そしてそこから写真にプリントします。一度は海水に浸かり、また、泥まみれになってしまったフィルムです。全てが当時の姿のままとは限りません。中には痛んでしまったフィルムもあります。それでもプリントします。写真は一生の宝。

この作業をされているのが、宮城県大崎市の田尻駅前で写真屋さんを営む千葉英樹さんです。さらには宮城県写真商業組合の理事長もされています。還暦も過ぎていますが、まだまだお元気そうです。

千葉さんは震災直後に南三陸町や女川町に行きましたが、写真に関する作業(写真救済など)は断られ、閖上まで南下した時に写真救済をやっている方に出会いました。その後、山元町も被害が甚大だと聞き、山元町へ行く事に。そこで「思い出サルベージ」の溝口さんとも出会い、そして、千葉さん自身は写真洗浄のボランティアから、職能を活かして被災したフィルムのプリントへ舵を切ります。

当初、プリントした写真は1枚ずつアルバムのポケットに入れていましたが、それだと誰かが見ているうちに写真が入れ替わったりしてしまいます。そこで、フィルムごとにフォトブックにする事にしました。そうすれば写真が入れ替わる事はありませんし、一度見つかれば一気に複数の写真が手に入ります。作成したフォトブック、現在までに1100冊を数え、残すフィルムはあと少しです。

お話しを聞いている最中も、時折、感極まって涙ぐむ千葉さん。震災から約2年の間、作業するにあたって傾けたその思いと情熱がいかばかりなのか、私の想像を超えているのだと思います。ただただ頭が下がる思いです。

最初の頃は富士フィルムさんなどからの物資の提供も有ったそうですが、震災から約2年が経過した今は、その多くを自費で賄っています。しかし「年金もらってるからいいんだ」と一笑に付す千葉さん。このフォトブックを見て笑顔になる人が、今後も多数生まれることでしょう。その時、思うに違いありません。「宝物が見つかった」と。千葉さんに感謝です。

チバフォート
宮城県大崎市田尻沼部富岡98-8
TEL:0229-39-0535

三浦 淳|情報レンジャー@宮城