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浪江町仮設の図書館きぼう ②

浪江町仮設住宅のミニ図書館『浪江in福島ライブラリーきぼう』を再度お邪魔した。... - 2013年2月3日

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浪江町仮設の図書館きぼう ②

福島市 - 2013年02月03日

浪江町仮設住宅のミニ図書館『浪江in福島ライブラリーきぼう』を再度お邪魔した。福島市郊外の笹谷地区。管理人の1人、岡崎裕子さんに話を聞いた。

お正月の花を買いに行くとスイセンの花を見かけたという。それまでは、浪江の自宅の庭にもあったことなどはすっかり忘れていた。今は見る人もいないだろうけど、花は間違いなく咲いているだろうし、それを思うと思わず懐かしさがこみ上げてきた。だからといって帰れるわけはない。仮設のおばちゃんらに話すと「いっぱいあったとなー」と懐かしんでいた。

今はネズミなどが出没して荒れ果てた故郷を見ると悲しくなる。一時帰宅を利用して何度か片付けに行ったが、とても住める環境ではなかった。残して来たペットの犬も猫も連れ戻し、あの子たちが元気だったのがせめてもの慰みだった。最近、川がきれいになったということを耳にした。人が住まなくなると、川はきれいになっていくんだと感じた。

福島の人はおとなしいと言われるが、決しておとなしいのではない。我慢しているわけでもない、自分たちの生活を自らどうにかしようという思いがあるから・・・。ギリギリ追いつめられたら爆発もする。今はバカにされているのかな? と思いながらの生活。福島の現状が風化されないように、これからも発信していかねばと思っている。

先日、東京から1人の女性が数冊の本を抱えて訪ねてきた。「何か支援は出来ませんか? 何でもいいから言って下さい。決して忘れてはいませんよ」と。ここの図書館を新聞で知ったらしいが、これも“縁”ですね、と笑顔を見せた。こうした人もいるんだと分かってうれしかった。福島を忘れないで頂きたい。

避難生活というのは疲れると言う。遊んでばかりはいられないし、人と会って話をしていないと不安にかられる。ここではいろいろな人に会えるのが刺激になっている。この仕事を選んで良かったし、多くの人に少しでも役にたてればいいと思えるようになった。

設置された町のフォトフレームも見ているが、浪江の何気ない風景や動画が見てみたい、と要望していた。 仮設住宅の人たちにはそれぞれの思いがある。忘れたくない故郷であり捨てることの出来ないのが故郷。それも今更帰れなくなってしまった・・。岡崎さんはもう1人の管理者衣川ゆかりさんと一緒に仮設のミニ図書館を守っている。

 

浪江町仮設の図書館きぼう ①

 

レポート:小野 清隆|情報レンジャー@福島