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おもいでを返したい

津波で流されてしまった写真が、今も持ち主を待っています。その数、ざっと55万枚... - 2013年1月30日

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おもいでを返したい

仙台市 - 2013年01月30日

津波で流されてしまった写真が、今も持ち主を待っています。その数、ざっと55万枚。正直、数字で聞いてもピンときません。昨年、展示会をやった際、バレーコート2面取れる体育館がアルバムで一杯になったそうです。動画内でも少しだけその時の様子を入れていますのでご覧下さい。圧巻です。それらの膨大な数の写真の修復やデータベース化に取り組んでいるのが「おもいでかえる」さん。修復も、データベース化も、元の持ち主やご家族に返す為の作業とは言え、気が遠くなるような枚数です。大変ですが、多くのボランティアの方々が協力して下さって、今なお継続しています。

この50万枚の中には、被災者の思い出の一枚がたくさんあります。そして、実は写真以外の思い出の品も預かっています。例えば、日記や賞状、ランドセルなど。ただ、これらの品が保管されて持ち主を待っているということさえ知らない方が少なからずいらっしゃいます。もし、仙台市の宮城野区や若林区で被災されて思い出の品が無くなって嘆いている方をご存知でしたら、是非「おもいでかえる」さんをご紹介してあげて下さい。今年の3月には、写真などを見つけて頂くための展示会を開催する予定ですので、サイト内を要チェックです。「おもいでかえる」で検索するとサイトが見つかると思います。日程をチェックした上で、是非一度会場に足を運んで下さい。ご本人じゃなくとも、友人知人の写真が見つかる可能性もあります。

野瀬香織理事長に思い出に残るエピソードを尋ねると、どうせダメだろうと期待せずに展示会にいらっしゃって、思いがけず自分の写真を見つけられた時の、心から嬉しそうな顔、そして亡くなられたご家族の写真を見つけた方や、幼い頃の思い出の写真を見つけられた方など、たくさんの忘れられない出来事が有ったとか。

また、実は写真を返すことだけが目的ではありません。例えば、展示会場が物理的、精神的な再会の場になったりしますし、この活動自体が震災の風化防止の役割も果たしているのだと感じます。

しかし、このような団体の継続的な運営は困難を極めます。おもいでかえるさんにも差し迫った問題がありました。それは「場所」です。今はご好意で剣道場を借りて作業場としていますが、予定ではこの3月一杯で契約が切れます。仙台市若林区や宮城野区の被災地で使用していない納屋、倉庫や建物など、空きスペースをご存知の方はいらっしゃいませんか?もし情報をお持ちの方がいらっしゃったら、おもいでかえるさんまで是非ご連絡下さい。空きスペースをお借りして、被災した方にちょっとでも賃料をお支払いできれば、ともおっしゃっています。このかけがえの無い写真たちが、本人やそのご家族の方々に帰るためには、日々作業する場所が必要です。よろしくお願いします。

震災復興ボランティア団体 おもいでかえる

レポート:三浦 淳|情報レンジャー@宮城