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やってて良かった!豊間 福仙

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やってて良かった!豊間 福仙

いわき市 - 2012年12月28日

津波で甚大な被害を出した、いわき市豊間地区にある「和風れすとらん福仙」。震災後に店主の安龍(あんりゅう)博さんのブログを見つけた時は、「助かったんだ。良かった!」と­心から思った。

写真に残っていた約5年前の840円ランチは、市内で水揚げされた新鮮な刺身がついた日替わりで、口にしたときの感激が今も残っている。当時は3カ所で漁業権を持ち競りに­も参加したので安価で提供できた。しかし博さんは「自分が残るより、生きていたら地域のためになった人もいた・・」と、商売を続けていることにジレンマも感じている。

心の支えは馴染みのお客さんが、「やってて良かった!」と訪ねてくること。物やお金ではない絆を感じると言う。一方で、「本来なら片付いた今ごろではなく、当時を見て欲し­かった」と母親の恵子さん。今でも、海へと続く目の前の道を通れない。親しかった人たちが暮らしていた町が、建物と一緒に消えてしまったショックは計り知れない。

私たちは何気なく復興という言葉を口にする。しかし地場産業に大打撃を受けても、放射線量は低いという理由から避難区域対象外の扱い。「復興とは手の届かない位置にあるも­の」「目が覚めたら元通りになっていれば良いのに」と思う毎日。決して叶わない事だと分かっていても、そう言わずにはいられない悲しみと戦っているのだ。

県内で水揚げされる水産物の安全性が少しでも早く立証され、30年間の目利きを誇る『恵子さんの目に適った』魚介類を、博さんが調理して店に並ぶ日を心待ちにしている。

和風れすとらん福仙: 福島県いわき市平豊間榎町91 0246-38-2452 営業時間 11:00~14:00

レポート:安田 希代美 |情報レンジャー@福島