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西郷村 - 2012年12月19日

西郷村社会福祉協議会が村の委託を受けて実施している子育て支援事業の一つが『つどいの広場』。そこで読み聞かせボランティアをしている中田このみさんが、原発事故発生から現在までの気持ちの変遷を語ってくれた。広場は村社協の高齢者生活支援センターに設けられ、周辺や室内は放射線除染が進み室内線量は毎日0.1μSv/hを下回る数値が記録されている。親子で遊べる遊具や絵本などもそろっており、定期的にイベントも催している。

広場は原発事故の発生前からあったが事故後、戸外の放射能不安から通うようになった親子もいるという。室内で大きな声を上げて駆け回る子どもたち、それを見守りながら声を出して笑うお母さんの姿。しかし、その心の中は複雑だろうと中田さんは言う。

中田さんも事故後、福島に住んでいて大丈夫なの? と県外の知人に言われてショックを受けた。村内は地震の影響で断水し中田さんは給水車への水汲みや高齢者の世話などに奔走した。そのため県民健康管理調査の問診票が届いたときは心配だったという。外に出る機会が多かったので放射線をたくさん浴びたのではないかーという不安が頭をかすめたのだ。問診票は事故後の行動を思い出しながら正確を期して記入した。結果は予想していたよりも低く、少し安心したという。さらに、母親たちから前向きな言葉を聞いて自分の気持ちも次第に変わってきたと語る。

低線量被ばくの影響については、どれが正しいと言い切れる数値がないのが現状だ。自分にとって有効な情報であるか否かは、県民それぞれが判断するしかない。こうした微妙な問題についても厳しく過酷な判断を強いられる県民に、一時も早く心落ち着く時間が来て欲しい。

(レポート:千葉 胤典|情報レンジャー@福島)