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離れてもつなげたい 相馬焼

原発事故後に余儀なく避難させられたものの、借上げ住宅で大堀相馬焼の制作を作ける... - 2012年12月5日

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離れてもつなげたい 相馬焼

浪江町 - 2012年12月05日

原発事故後に余儀なく避難させられたものの、借上げ住宅で大堀相馬焼の制作を作ける窯元がいる。浪江町から郡山市に避難した陶富治(すえ・とみじ)さんだ。警戒区域(=帰還困難区域)に指定された大堀地区は、全ての窯元が避難命令を受けた。

陶さんは事故の1カ月後から郡山市の1軒家を借りて生活していた。間もなく、家の隣に使われなくなった工場があるのを知り、好意で貸してもらうことになった。必要な機械などはレンタカーで浪江から運び出した。しかし窯までは持って来れず、新しく購入した。それまでのよりも小さく、「ままごとをやっているようだ」と言う。

相馬焼は昭和53年に国伝統工芸品の指定を受けている。特徴の1つ「二重焼」は独特の工法で、熱湯を入れても手で扱えるうえ、お湯は冷めにくいというのが特長。全盛期の『二重もの』の約8割は輸出品だった。

350年も続く伝統工芸について、「長く続いている伝統も、いつかは消えることがある。でも、こんな形でなくなるのは寂しいね」と言い、「規模が小さくなっても作り続けて、伝えていくことに意義がある。1、2年でも長く続けたい」としみじみ語る。

こうした複雑な思いとこれまでお世話になった人たちに感謝の気持ちを込めて、陶さんは今日も制作に打ち込んでいる。

レポート:千葉 胤典 |情報レンジャー@福島