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安田 希代美
福島県郡山市出身 ブログと体を鍛えることが趣味の天然石アクセサリー作家 主婦歴23年の諦めない40代
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目からウロコいわき見せる課
いわき市 - 2012年11月16日
名刺も課のプレートも全て“スケルトン”。透明性を高めようという決意を込めたいわき市の「見せる課」が10月、発足した。農産物を対象とした「いわき見える化プロジェクト」2年目の今年、範囲を水産業や観光業にまで広げ安心・安全の判断材料としてもらおうというのが狙い。
11月16日に県内外から報道関係者を招いてプレス発表が行われた。放射性物質と水産物の風評被害に関連した現地視察とセミナーで、東京海洋大学の石丸隆大学院教授が原発事故による海洋へ放射能移行経路などを解説した。
消費者が一番知りたい生態系への影響については、植物プランクトンや動物プランクトンを食べたサンマやカツオなど回遊魚は広い範囲で行動するために影響を受けにくい半面、問題は低性魚や岩礁性のアイナメやカレイだという。このため底引き網を主体とする近海漁は、操業禁止ではないものの自粛している。昨年7月、シラスから高い数値が出たのは、一時的に沿岸部のプランクトン中の放射性セシウムが高かった影響と推測され、11月現在は約1Bq/kgまで下がったという。
検体検査の現場も見学した。市は検出下限値を10Bq/kgと厳しくしており、この日はサンマ1kg分を30分間、ゲルマニウム半導体で検査した結果は不検出。各船で検査しているサンマからは、原発事故後１度も放射性物質の検出はない。海産物は操業予定海域で漁をし、モニタリング検査後にもう１度、魚市場で検査するという念の入れよう。他県では行われていないシステムで、市場に出回る魚は安心という具体例に納得した。
魚は水揚げ港や捕獲場所など産地の表示が複雑になる。詳細は水産省ホームページ で知ることができるが、商品説明シールで「福島県の地名」が表示してあると購入を避けがちな人も多い中で、表示の定義を知っておく事は重要。
昼食では水戸沖100kmで捕れ当日朝に小名浜港で水揚げされたサンマを、県漁連女性会員が蒲焼き丼、つみれ汁などで振る舞ってくれた。つみれ汁は味噌と生姜ネギを練り込み、生臭さが消えておいしかった。しかし先日のイベントで同じ汁物を出した時、北海道沖で捕獲したにも関わらず「何だ小名浜で水揚したサンマか」と敬遠され悔しい思いをしたそうです。
現状報告をした県漁連の野崎哲会長は「今までは情報発信が弱かったので震災がキッカケになった」と意欲を見せていた。また、いわきの海産物を何とかしようと昨年度は不検出の農産物しか販売しない方式を取り入れたイオンリテールの松本金蔵水産商品部長は「正しい物は正しい」と、店頭で県産海産物を積極的に売り出した、「あの厳しいイオンが売るなら大丈夫」と確実に売り上げが戻っているという。
11月16日（金）モニタリング数値も公開するwebページが開設された。11月20日（火）は東京の有楽町広場にて【いわきのサンマ豊漁祭】を実施予定の他、12月16日（日）は東京発で無料 の「いわき見せる課バスツアー」が行われる。詳しくはホームページをご覧下さい。
レポート：安田 希代美 |情報レンジャー＠福島