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安田 希代美
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震災後やっと会えた〜♪
いわき市 - 2012年10月28日
「震災後、友達とやっと会えたんだぁー」と嬉しそうに話す大熊町出身者の声が何とも心を打った。
10月28日、いわき市の好間工業団地内にある大熊町役場いわき連絡所の駐車場で『大熊町ふるさと祭り』が催された。空は厚い雲で覆われ、雨も降るという中にも関わらず大勢の町民が参加した。イベントには、ヒット曲「孫」で知られる大泉逸郎さん、故郷福島に熱い思いを抱き、義援金・救援物資プロジェクト「I LOVE福島プロジェクト」で須賀川出身の歌手、門倉有希さんも出演。場内で町出身者らと握手を交わし、大きな声援を浴びていた。
商工会議所や社会福祉協議会が運営する出店が並んだほか、埼玉県三芳町の蒸かしイモ、大熊町出身の災害ボランティアからはタイ焼きなどの差し入れもあった。連絡所の脇に建つ仮設住宅で生活する女性が、「普段はほとんど集まりもないし、高齢者も若者もあまり家から出てこない。孤立化が問題で、大熊町の家に帰りたい」というのが口癖だと話した。
参加した町出身者は、久しぶりに会う近所の人や友人たちと楽しく過ごしていた。町は福島第一原子力発電所からほど近い。今後の住居や賠償、孤立化、愛する故郷に帰れるのかなどまだまだ問題は多く、解決の見通しは立っていない。しかし、このような顔見知りや昔からの仲間が集い、楽しく過ごす交流の場が住民の心に「安心と生きる希望を灯す重要な場」だと改めて実感した。
取材：小野清隆｜撮影：西澤拓真 レポート：編集｜鈴木さとみ 情報レンジャー＠福島